資料 米国「ナショナル・ヘルスエデュケーション・スタンダード」
     Joint Committee on National Health Education Standards: National Health Education Standards(2nd ed.)
    - Achieving Excellence. American Cancer Society, 2007
より

ナショナル・ヘルスエデュケーション・スタンダード

基準1:

児童生徒らは,健康を増進するために,ヘルスプロモーションと病気の予防に関連した概念を理解する

基準2:

児童生徒らは,健康行動に関する家族,仲間,文化,メディア,テクノロジーあるいはその他の要因の影響を分析する

基準3:

児童生徒らは,確かな情報と健康を増進する製品,サービスにアクセスする能力を示す

基準4:

児童生徒らは,健康を増進し健康リスクを避けあるいはそれを減らすための対人コミュニケーションスキルを使用する能力を示す

基準5:

児童生徒らは,健康を増進するために,意志決定スキルを使用する能力を示す

基準6:

児童生徒らは,健康を増進するための目標設定スキルを使用する能力を示す

基準7:

児童生徒らは,健康を増進するための行動の実践と健康リスクを避けあるいはそれを減らすための能力を示す

基準8:

児童生徒らは,個人,家庭,そして地域の健康を主張する能力を示す

 

【行動指針】

基準1:

児童生徒らは,健康を増進するために,ヘルスプロモーションと病気の予防に関連した概念を理解する

(就学前・幼稚園から2年生まで)

1.2.1 個人の健康に影響する健康行動を特定する

1.2.2 健康には多面性があることを認識する

1.2.3 感染症を予防する方法を述べる

1.2.4 子どものときによく起こるけがの防止の方法を挙げる

1.2.5  健康を管理することがなぜ重要であるかを述べる

(3年生から5年生まで)

1.5.1  健康行動と個人の健康の関係を述べる

1.5.2 健康の情緒的,知的,身体的,社会的側面の例を特定する

1.5.3  個人の健康を増進することのできる安全で健康的な学校と地域の環境のあり方を述べる

1.5.4  子どものときによく起こるけがと健康問題を予防する方法を述べる

1.5.5  いつ健康管理(サービス)を探すことが必要であるか述べる

 

























6年生から8年生まで)

1.8.1 健康行動と個人の健康の関係を分析する

1.8.2 思春期における健康の情緒的,知的,身体的,社会的側面の相互関連をのべる

1.8.3  環境が個人の健康にいかに影響するか述べる

1.8.4  家族暦がいかに個人の健康に影響するか述べる

1.8.5  けがと他の思春期の健康問題を軽減あるいは予防する方法を述べる

1.8.6  適切な健康管理がいかに個人の健康を増進することができるかを説明する

1.8.7  健康行動を実践することの利益と障壁を述べる

1.8.8  不健康な行動をした場合に起こりうるけがと病気の可能性を調べる

1.8.9 不健康な行動をした場合に起こりうるけがと病気の深刻さを調べる


9年生から12年生まで)

1.12.1 健康行動がいかに健康状態に影響するかを予測する

1.12.2 健康の情緒的,知的,身体的,社会的側面の相互関連をのべる

1.12.3 環境と個人の健康がいかに相互関係するかを分析する

1.12.4 遺伝と家族暦がいかに個人の健康に影響するかを分析する

1.12.5 けがと健康問題を軽減あるいは予防する方法を提案する

1.12.6 健康管理(サービス)へのアクセスと健康状態の相互関連を分析する

1.12.7 様々の健康行動を実践することの利益と障壁を比較し対比する

1.12.8 不健康な行動をした場合のけが,病気,死への個人の感受性を分析する

1.12.9 不健康な行動をした場合のけがあるいは病気についての起こりうる重大性を分析する

 

基準2:

児童生徒らは,健康行動に関する家族,仲間,文化,メディア,テクノロジーあるいはその他の要因の影響を分析する

(就学前・幼稚園から2年生まで)

2.2.1 家族がいかに個人の健康習慣と健康行動に影響するかを特定する

2.2.2 個人の健康習慣と健康行動をサポートするために学校は何ができるのかを特定する

2.2.3 メディアがいかに健康行動に影響するかを述べる


(3年生から5年生まで)

2.5.1 家族がいかに個人の健康習慣と健康行動に影響するかを述べ

2.5.2  健康習慣と健康行動に関する文化の影響を特定する

 
















2.5.3  健康行動と不健康な行動にいかに友人が影響するかを特定する

2.5.4  学校と地域がいかに個人の健康習慣と健康行動をサポートすることができるかを述べる

2.5.5  メディアがいかに考え,意識,そして健康行動に影響するかを説明する

2.5.6  個人の健康に影響するテクノロジーのあり方を述べる


(6年生から8年生まで)

2.8.1 家族がいかに思春期の健康に影響するかを調べる

2.8.2 健康信念,健康習慣,健康行動に関わる文化の影響を述べる

2.8.3  健康行動と不健康な行動にいかに友人が影響するかを述べる

2.8.4  学校と地域がいかに個人の健康習慣と健康行動に作用するかを分析する

2.8.5  メディアからのメッセージがいかに健康行動に影響するかを分析する

2.8.6  個人の健康と家族の健康に関するテクノロジーの影響を分析する

2.8.7  規範の認知がいかに健康行動と不健康な行動に影響するかを説明する

2.8.8  その人の健康習慣と健康行動に関する個人的価値観と信念の影響を説明する

2.8.9  ある健康に危険な行動がいかに不健康な行動につながるかの可能性を述べる

2.8.10 学校の健康政策と公衆衛生政策がいかに健康増進と病気予防に影響するかを調べる。


9年生から12年生まで)

2.12.1 家族がいかに思春期の健康に影響するかを分析する

2.12.2 文化がいかに健康信念,健康習慣,健康行動をサポートし否定するかを分析する

2.12.3 健康行動と不健康な行動にいかに友人が影響するかを分析する

2.12.4 学校と地域が個人の健康習慣と健康行動にいかに影響するかを評価する

2.12.5 個人の健康と家族の健康に関するメディアの影響を評価する

2.12.6 個人の健康,家族の健康そして地域の健康に関するテクノロジーの影響を評価する\

2.12.7 規範の認知がいかに健康行動と不健康な行動に影響するかを分析する

2.12.8 その人の健康習慣と健康行動に関する個人的価値観と信念の影響を分析する

2.12.9 ある健康に危険な行動がいかに不健康な行動につながるかの可能性を分析する

2.12.10学校の健康政策と公衆衛生政策がいかに健康増進と病気予防に影響するかを分析する

基準3:

児童生徒らは,確かな情報と健康を増進する製品,サービスにアクセスする能力を示す

(就学前・幼稚園から2年生まで)

3.2.1  健康の増進を手助けする信頼できる大人と専門家を特定する

3.2.2  学校と地域で健康を手助けしてくれる人の探し出し方を特定する


3年生から5年生まで)

3.5.1  確かな健康情報,健康製品,健康サービスの特徴と特定する

3.5.2  確かな健康情報を提供する家庭,学校,地域の資源を探し出す

6年生から8年生まで)

3.8.1  健康情報,健康製品,健康サービスの信頼性を分析する

3.8.2  家庭,学校,地域からの確かな健康情報にアクセスする

3.8.3  健康を高める製品のアクセス可能性を判断する

3.8.4  専門的な健康サービスを求める状況を述べる

3.8.5  確かで信頼できる健康製品と健康サービスを探し出す

9年生から12年生まで)

3.12.1 健康情報,健康製品,健康サービスの信頼性を評価する

3.12.2 確かな健康情報を提供する家庭,学校,地域の資源を利用する

3.12.3 健康を高める製品とサービスのアクセス可能性を判断する

3.12.4 いつ専門的な健康サービスを求めるかを判断する

3.12.5 確かで信頼できる健康製品と健康サービスにアクセスする

基準4:

児童生徒らは,健康を増進し健康リスクを避けあるいはそれを減らすための対人コミュニケーションスキルを使用する能力を示す


(就学前・幼稚園から2年生まで)


4.2.1  必要なこと,望むことそして感じたことを表現する健康的なし方示す

4.2.2  健康を高めるための聞くスキルを示す

4.2.3  望まなかったり,脅されたり,あるいは危険な状況の際の返答のし方を示す

4.2.4  脅されたり,危険な場合に信頼できる大人への話し方を示す


3年生から5年生まで)

4.5.1  健康を高めるために効果的な言語コミュニケーションスキルと非言語コミュニケーションスキルを示す

4.5.2  健康リスクを避けたり軽減する拒否スキルを示す

4.5.3  いざこざを処理したり解決するための暴力的でない戦略を示す

4.5.4  個人の健康を高めるための援助の求め方を示す

(6年生から8年生まで)

4.8.1  健康を高めるために効果的な言語コミュニケーションスキルと非言語コミュニケーションスキルを応用する
4.8.2  健康リスクを避けたり軽減する拒否スキルと交渉スキルを示す

4.8.3  効果的にいざこざを処理したり,解決する戦略を示す

 


4.8.4  自分と他者の健康を高めるための援助の求め方を示す

(9年生から12年生まで)

4.12.1 健康を高めるために,家族,友人そして他者と効果的にコミュニケーションするためのスキルを用いる

4.12.2 健康を高め,健康リスクを避けたり軽減するための拒否スキル,交渉スキル,協力スキルを示す

4.12.3 自分や他者を傷つけない人間関係のいざこざを予防したり,処理したり,解決したりする戦略を示す

4.12.4 自分と他者の健康を高めるための援助の求め方と申し出方を示す

基準5:

児童生徒らは,健康を増進するために,意志決定スキルを使用する能力を示す

(就学前・幼稚園から2年生まで)

5.2.1  健康に関係して意志決定が必要なときの状況を特定する

5.2.2  健康に関係する意志決定が個人でできるときと援助が必要なときとの状況を区別する


(3年生から5年生まで)

5.5.1  よく考えた意志決定が求められるであろう健康に関係した状況を特定する

5.5.2  健康に関係した意志決定をするうえで援助が必要であるときを分析する

5.5.3  健康に関係した課題や問題に対して,健康的な意見を挙げる

5.5.4  健康に関係した意志決定をするとき,それぞれの意見の結果の可能性を予測する

5.5.5  意志決定するとき健康的な意見を選択する

5.5.6  健康に関係した意志決定の結果を述べる

(6年生から8年生まで)

5.8.1  健康的な意志決定を手助けしたり妨げたりするような雰囲気を特定する

5.8.2  よく考えた意志決定過程の応用を求める健康に関係した状況がいつであるか決断する

5.8.3  いつ個人的な意志決定が適切で,いつ協同の意志決定が適切であるかを見分ける

5.8.4  健康に関係した課題あるいは問題に対して,健康的か健康的でないかを二者択一する

5.8.5  選択肢それぞれの個人と他者に起こりうる短期間の影響を予測する

5.8.6  意志決定をするときに健康的でないものを選択ではなく健康的なものを選択をする

5.8.7  健康に関係した意志決定の結果を分析する
(9年生から12年生まで)

5.12.1 健康的な意志決定を妨げる障壁を調査する

5.12.2 健康に関係した状況において,よく考えた意志決定過程を応用する有用性を決断する

5.12.3 いつ個人的な意志決定が適切で,いつ協同の意志決定が適切であるかを証明する

5.12.4 健康に関係する課題あるいは問題に対しての選択肢を引き出す

5.12.5選択肢それぞれの個人と他者に起こりうる短期間の影響と長期間にわたる影響を予測する

5.12.6 意志決定するときの健康的な選択を守る

5.12.7 健康に関わる意志決定の効果性を評価する

基準6:

児童生徒らは,健康を増進するための目標設定スキルを使用する能力を示す


(就学前・幼稚園から2年生まで)


6.2.1  短期的な個人の健康目標と目標達成に向かってとる行動を特定する

6.2.2  個人の健康目標達成に援助が必要なとき誰が手助けしてくれるかを特定する


(3年生から5年生まで)

6.5.1  個人の健康目標を設定し,その達成への向かう道筋をつける

6.5.2  個人の健康目標を達成するのを援助する資源を特定する

(6年生から8年生まで)

6.8.1  個人の健康習慣を評価する

6.8.2  個人の健康習慣を選び,維持し,改善するための目標を高める

6.8.3  個人の健康目標を達成するために必要な戦略とスキルを応用する

6.8.4  個人の健康目標がいかに能力や優先順位や責任によって変化するかを述べる

(9年生から12年生まで)

6.12.1 個人の健康習慣と全体的な健康状態を評価する

6.12.2 効力やニーズやリスクをふまえた個人の健康目標を達成するための計画を立てる

6.12.3 個人の健康目標を達成する際の戦略を実行し,進捗をモニターする

6.12.4 効果的な長期間の個人の健康プランを策定する

基準7:

児童生徒らは,健康を増進するための行動の実践と健康リスクを避けあるいはそれを減らすための能力を示す

(就学前・幼稚園から2年生まで)

7.2.1  個人の健康を維持し高めるための健康習慣と健康行動を示す

7.2.2  健康リスクを避けあるいは軽減する行動を示す

(3年生から5年生まで)

7.5.1  責任ある個人の健康行動を特定する

7.5.2  個人の健康を維持し高める様々な健康習慣と健康行動を示す

7.5.3  健康リスクを避けあるいは軽減する様々な行動を示す

(6年生から8年生まで)

7.8.1  個人の健康行動への責任を評価する重要性を説明する

7.8.2  個人と他者の健康を維持し高める健康習慣と健康行動を示す

7.8.3  個人と他者に対する健康リスクを避けあるいは軽減する行動を示す

(9年生から12年生まで)

7.12.1 健康を増進するための個人の責任についての役割を分析する

7.12.2 個人と他者の健康を維持しあるいは高める様々な健康習慣と健康行動を示す

7.12.3 個人と他者に対する健康リスクを避けあるいは軽減する様々な行動を示す

 

基準8:

児童生徒らは,個人,家庭,そして地域の健康を主張する能力を示す

(就学前・幼稚園から2年生まで)

8.2.1  個人の健康を増進するための要求をする

8.2.2  ポジティブな健康選択をしようとする友人を励ます


(3年生から5年生まで)

8.5.1  健康課題についての意見を表明し正確な情報を述べる

8.5.2  ポジティブな健康選択をするように他者を励ます


(6年生から8年生まで)

8.8.1  健康を高める話題への見解を述べ,それを正確な情報によってサポートする

8.8.2  ポジティブな健康選択をするように他者に影響しサポートする方法を示す

8.8.3  個人,家族,そして学校を健康的なものとする主張を協力して行う

8.8.4  異なる人たちに合わせて変化する健康メッセージとコミュニケーションテクニックのし方を特定する

(9年生から12年生まで)

8.12.1 健康を増進するメッセージを明確に述べるために,的確な友人と社会の規範を用いる

8.12.2 ポジティブな健康選択をするよう他者に影響しサポートする方法を示す

8.12.3 個人,家族,そして地域の健康を高めるための主張を協力して行う

8.12.4 特定のターゲットとする人たちに対して健康メッセージとコミュニケーションテクニックを作り変える

【ナショナル・ヘルスエデュケーション・スタンダ−ドを実行するための地方教育委員会の活動段階】

(環境と雰囲気づくり)

 ・学区においてすべての学年を通じて包括的な学校健康教育をサポートしつくりあげる健康推進環境を提供する政策を確立する

 ・他の教科で提供されるのと等しい空間,クラスの人数,施設へのアクセスを学校健康教育の授業に提供する

 ・学区における様々な校種を横断して就学前・幼稚園から12学年までの連携をはかる健康教育コーディネーターを用意する

 ・児童生徒らと先生が快適で,安全で,支えを感じる学校環境と教室の雰囲気を用意する

 ・学校健康教育プログラムに保護者と地域を巻き込むことを奨励する

(教えること)

・健康教育は免許資格を持った健康教育教師によって教えられることを確実にする

・ナショナル・ヘルスエデュケーション・スタンダードあるいは州のスタンダードにそった健康の授業を計画し,実行し,整理す
る教師をサポートする

・質の高い,継続的な教師のための健康教育内容と教授学の専門的能力開発(現職教育)を用意する

・教師がナショナル・ヘルスエデュケーション・スタンダードの目標達成に必要な時間と資金面での資源を用意する

(カリキュラム)

・包括的な健康教育を地方レベルで実施する政策を制定し,確かなものとするような管理とサポートを用意する

・ナショナル・ヘルスエデュケーション・スタンダードあるいは州のスタンダードにそった学区での就学前・幼稚園から12学年ま での包括的学校健康教育カリキュラムを実行する

・学区の健康教育カリキュラムをナショナル・ヘルスエデュケーション・スタンダードに沿いながら,規則的な改訂サイクルで,
資格を持った健康教育者と協同で学校管理者とカリキュラム・コーディネーターのリーダーシップのもと,最新のものにし改訂する

(評価)

児童生徒の評価:

・ナショナル・ヘルスエデュケーション・スタンダードや州のスタンダードに示された目標を達成したかを判断する確かな評価物を用いる
・健康教育における児童生徒の進捗状況のレポートを求める

・児童生徒の評価とカリキュラム評価についての継続的な専門能力開発(現職教育)を用意する

プログラム評価:

・健康教育カリキュラムの効果性を示すデータを収集し,学業成績と連携させる

・児童生徒がナショナル・ヘルスエデュケーション・スタンダードや州のスタンダードに示された目標を達成したかを判断するた
めのプログラム評価を行う

・質の高い健康教育授業をサポートし維持するために予算は適切であったかを判断する

・就学前・幼稚園から12学年までの包括的健康教育への認識とサポートを判断する地域のアセスメントをする

(テクノロジー)

・健康教育の授業とプログラム開発をする際,児童生徒,教師そして学校職員のために,適切なテクノロジー,備品,資料を提供する
・ナショナル・ヘルスエデュケーション・スタンダードの目標にあった健康授業を提供する際にテクノロジーを効果的に利用する
方法のトレーニングを提供する

(学習)

 ・発達段階と学習の特徴に応じた就学前・幼稚園から12学年の健康教育プログラムの学習の実行を求める

 ・学習過程で活動的な取り組みが行え,スキルの実践,反復,問題解決,新しい問題の創造,思考の機会が持てるよう,児童生
 徒が知識とスキルを獲得するに十分な健康教育の授業時間を計画する